あるばとろす亭

乙女ゲームとテニミュと2.5次元舞台など。

遙か2ひさびさにやって深苑君について考えた

遙か2を久々にプレイした。

初プレイから数えて十二周目くらい。なぜ覚えているかというと、初プレイがリアル女子高生だったので時間がありまして、大切な恋は一人ずつやってたんです。

五年くらいかけて八周やって、そのあと二回か三回はしたんじゃないかなーということでこの周回。単に効率という文字が頭にないだけ。

で、ひさびさにプレイしました。いつぞやのセールでVITAに落としていたやつを。遙か7やって、久方ぶりに感動する心を呼び覚まして、当時わからなかった八葉の気持ちが今なら理解できるのではと思って。

ここ2年くらい、感動する心を動かないようにしていまして。理由は疲れるから。笑うところ。

いわゆる文芸体質というのでしょうか。登場人物とオーバーラップしやすく、体力なくなってきたので、その消耗が激しいんですよ。何日も引きずっちゃうの。自分のことじゃないのに、めちゃくちゃ苦しくなっちゃう。

話を戻します。

いろいろ気になるところが出てきたのでブログ更新。

気になるところ

・無意識を喚起するもの

・深苑くん(と金色のコルダ3の冥加さん)について

一個目。

無意識を喚起するもの。

ブログ書いてる私が名作の条件だと思ってるもの。

どんな感じかというと、作品にふれる間に「あ、私、これがやりたかったんだ」と思うこと。

誰かにとって、遙か2が名作でもそうでなくても、どちらでも私は尊重する。

二十年近く前に出たゲームだから、これを越えられないままにシリーズが7まで出てるとは思いにくいから。ただ、現在の遙かシリーズの大元の設定の下敷きではあるとおもう。基本的に穢れがたまって百鬼夜行が起きるなど。

……で、なんで名作か否か考えたか、です。ここから本題。

遙かやってるとね、苦しくなる。作品全体に理不尽が多くて。

苦しい方があとでカタルシスが起こりやすいとか、感動が増すとか、いろいろ効能はある。

でも、遙かって、なぜか負の感情を引き起こしやすい。

ゲームやってて色んなことにイライラする。主に登場人物と話の流れかな?

で、それはいいんだけど、「この前仕事でいやなことがあったな(愚痴)」「前に誰かにこう言われて嫌な気分になったな」とかまで思い出しちゃう。これって何なんだろう。

抑圧が生む無意識の喚起なのかな。ここ知りたい。

で、それが起こる原因が深苑君だったんですよ。

このゲーム、「絶対に神子の言うことだけは聞かない深苑君」で成り立ってた。一回でも深苑君が神子の言うことを聞いていたら、あそこまでのことにならなかったんですよこのゲーム。すごすぎる。深苑君が神子の話を聞いたら終わり。

たったひとりとのディスコミュニケーションが起こした百鬼夜行。もう感心する。

誰よりも深い絶望を見ていた深苑君。人に頼るとか、話を聞いてもらうとか、どうしてもできなかった。なぜか。

彼が貴族に名を連ねるものだからなのではないか。

貴族の位を持たない白龍の神子(深苑君的には下賎のもの)とは話せなかったのではないだろうか。

明治時代の新聞記事に、こんなものがある。

学生(書生だったかもごめん記憶が急に飛んだ)と大工さんがぶつかった。ぶつかった学生は「失敬」と謝ったら、大工さんはかんかんに怒った。「謝りやがれ! まっぴらごめんなさいっていうもんだ! なんだシッケイって!」

っていう、よく新聞記事になったよねっていうもの。

使ってる言葉が違いすぎて、学生が謝ってても、大工さんはそれが謝ってることがわからなかったという話なんだけど、これは明治時代。かっちり士農工商がカテゴライズされていた時代で、こんな(しょうもない)事件があった。

そこから数えて約800~900年前の平安時代もまた、身分制度がもっともっと重くあったと考えると、

深苑君が平民の花梨に仕えたくない一心で、自分とどっこいくらいでも、貴族の千歳についたんじゃないのか……?

そんな風に思った十二回目だった。

それにしても、その深苑君を懐柔したアクラムがすごいよ。無位のものでも漂う気品で話を聞かせたのかもしれない。嘘をつかずに多くの人に甘言を繰り出し京を滅ぼす(白龍の神子だけは言うことを聞かなかったので成り立った思いやる恋なのかもしれない)。

話を深苑君に戻す。和仁さまなんて目じゃないね、深苑君の頑なさはすごいよ。

それは幼くして両親を牛車の事故で喪ったことに起因するんじゃあないかなとは思う。守るべき妹がいるのに、頼れる人がいない。祖母に引き取ってもらえたけど、この先どうなるかはわからない。

そのストレスがぜんぶ白龍の神子へ爆発したんだよね、深苑君の人生の不穏分子、最愛の妹は白龍の神子に懐いてるし無邪気に仕えてるからそれはさらに燃え上がる。

これは後年、金色のコルダ3の冥加玲士君に受け継がれてゆく。彼もまた、家をめちゃくちゃされたストレスがあの野良犬に骨を投げ与える事件に繋がっていくのではないかと思っている。彼にも妹がいる。さらに、両親は車の事故で亡くしてるところも一致。(冥加さんも当事者だけど)アクラムみたいなアレクセイにいいようにされるけど従うしかないとかも一致。

まあ冥加さんもまたアクラムの後継者でもあるんだと思うけどこの話はここまで。

ひさびさにやっていろいろ発見が多かったよ遙か2!

遭遇イベント多すぎてびっくりした!でも全部想い出から見られるベリーサンキュー仕様! やりこみ要素めちゃくちゃあるのにエンディングは想い出から見られない硬派!

また思いついたら書きに来る。ではまた。

ここまで読んでくださりありがとうございました。