あるばとろす亭

乙女ゲームとテニミュと2.5次元舞台など。

舞台刀剣乱舞 私のこここここ

こんにちは鳥です。


今日は舞台刀剣乱舞で大好きな、歌仙兼定および和田琢磨さんの好きなところを書き出します。呼称は歌仙兼定で統一します。


ネタバレを含みますのでお気をつけください。

観たことある前提で書いておりますので、どうか持ち前のパッションでご覧ください。

ちなみに私、舞台刀剣乱舞は悲伝から観たので(DVDで)、悲伝が親です。鳥だから刷り込み方法。



◆好きになったところ

初見は内容の濃さに圧倒されていたのですが、かれを意識したのはカーテンコールの「勝ち鬨の歌」でした。


歌が始まり、ひとりひとりがお辞儀するところで、歌仙兼定の視線。私はその瞬間に雅を知りました。雅でした。


以上です。ご査収ください。


……自分でもよくわからないので、よければ映像をご確認ください。通常盤のDVDです。まあ恋に落ちるときってそういうもんだよね。私はそこから恋したような状態になり、歌仙兼定定点カメラと化します。



◆悲伝での立ち位置

ご存知の通り、歌仙兼定は義伝で初登場し、二回目の出演の悲伝で山姥切国広のサポート役をします。


虚伝では三日月宗近、ジョ伝では山伏国広、慈伝ではへし切長谷部、天伝では加州清光が担っている立場です。自然と出番も多くなります。

最初の永禄の変に出陣、山姥切国広と池田屋で時鳥と対峙、本丸襲撃時、その後いなくなった三日月宗近を追って再び永禄の変。


私が一番好きなのは、本丸襲撃時、黒甲冑との戦いで真剣必殺の姿で飛び込んでくるところです。

お芝居って、ふたりしか舞台にいないときも、話者が客席に向かって話すところに特徴があるとも思うのですが、このときの歌仙兼定は完全にそう。何度も客席に向かって台詞を言う。そこが個人的に見所です。笑

それでギャグにならない彼の気迫や真剣さが好き。

……私が、いかにひどいお芝居もどきしか観てきたのかがわかりますね。


◆バランサーとして


・燭台切光忠との厨のシーン。怪訝そうな顔で燭台切光忠のアカペラと振りを聞いて立ち回る。


・軍議のあと、大般若長光と燭台切光忠との会話を気にしながら(燭台切光忠に話しかけられず?)くるくる回る歌仙兼定


一つめは燭台切光忠がギャグシーンにならないようにミュージカルのような動きを取るところ、二つ目は停滞しがちな場面に動きをつけてくれる。しかもコミカル。でも崩しすぎない、誰も傷つけない。二つ目のほうは口下手な、人見知りしちゃう歌仙まで表現する。

バランスの取り方が絶妙ですね。


◆短気なところ


・後半、三日月宗近との対峙で、「どうして答えない!」「しかし、当の本人が答える気がないからね!」というところ。(歌仙兼定の台詞のみ抜粋。)

どちらも間を置かずに台詞を言う短気な歌仙兼定

好きでしかない。



◆殺陣


腰を落として脇がしまってる。見るからに、受けただけで手がしびれそうな威力のある太刀筋なのに、軽やかできれい。袴と袂が翻るさまも、風が吹いただけ、のような涼しい顔。……ずっと観てられますね。


また書きます。やっとすこし形になった……これでも……。 

ではまた。

 

舞台刀剣乱舞 維伝の好きなところ、脇差の話

こんにちは鳥です。

遙か二十年祭のあとから舞台刀剣乱舞にまっ逆さましてました。奈落の底から見上げた空が青かった。

今回は維伝の好きなところを書きます。
ネタバレを含みますのでお気をつけください。
観たことある前提で書いておりますので、どうか持ち前のパッションでご覧ください。


さて主演(メイン)の陸奥守吉行と和泉守兼定は活劇、ミュージカルでも対立構造が描かれていますが、維伝でももれなく出てきます。
舞台では、刀にこだわる和泉守兼定が、勝つために手段として陸奥守吉行の銃で発砲するところはかっこよくて鳥肌ものですね。でも、戦いではなんでもありな新撰組なんだから、銃を使うのだっておかしくないのに、あの和泉守兼定が発砲するからいいんですよねー。いろんな意味で、舞台ならでは。

で、その和泉守兼定といえば堀川国広とばかりに、かれも登場します。
最初はお馴染みのコンビだからかな、と思っていたのですが、実は肥前忠広との対比で登場してるのではないかを推したくてこちらを書いております。

ご存じの通り、肥前忠広のもとの主は岡田以蔵です。この舞台では、朧になってからの「なんちゃあないなんちゃあない……」という、全然大丈夫そうでない、自分に言い聞かせる声が悲痛な、「人を斬らねば生きていけない」という人物として描かれています。
かれは後半「人斬りである」ということを他ならぬ刀剣男士の肥前忠広に肯定され、逆説的に自己を確立しやっと自分の本懐を知り遂げるというところが私にストライクを打ち込みました。
「龍馬! 会いたかったー!」1B!
「なんちゃあない……」1S!
「死にとうない!」2S!
「峰打ちじゃ!」3S! バッターアウト! でしたね。(突然の野球表現)なんで私がバッターなんだよ。

話を戻します。
一方、堀川国広は「悪い、僕も結構邪道でね!」「闇討ち、暗殺。お手のもの」と人を斬ることに躊躇いがない、と言いますか、完全に割りきっているように思えるんですね。そこがゲームで使っていても信頼できて、もと主が土方歳三の刀だなと感じます。目的のためなら手段を選ばない。
一方、肥前忠広は「斬りたいわけじゃねぇんだ……斬りたいわけじゃねぇんだよ」と逡巡したり、葛藤したり。人斬りと名高いはずのかれは割りきれずにいる。

陸奥守吉行といえば和泉守兼定和泉守兼定といえば堀川国広」というお馴染みのセットではなく、手段が目的になりつつあった岡田以蔵と目的のためなら手段を選ばない土方歳三の対比をなすために、堀川国広は出陣したのではないか?
物語の奥行きがすごい! なんてものじゃないですね。これが打合せや脚本を二十稿重ねた成果。勝手に私が言ってるだけですが、より深く感動したという感想でした。

読んでいただきありがとうございました。

遙か二十年祭のあと、遙かの持つ力

どうも鳥です。

遙か二十年祭全通しました。

前回のエントリーの内容は、実はこのための遙か2プレイでした。気合い入ってるう~。普段ならある用意(洋服、持ち物、1ヶ月前からのコンディション調整、体力の維持、キャストへの手紙やプレゼント用意)がなかったので、余裕があったのです。

遙か二十年祭、いろいろありました。

ぴあで購入したら、まあ切れる切れる。ラグが出まくる。実際の進行から遅れまくってツイッター投票ができない。などなど。初陣も昼夜参戦しましたが、そちらはここまでじゃなかったんだけどなあーとぼやいてました。まあ、我が家のネット環境があまりよくないのは認めるにせよ、e+の方がよかったです。

そしてツイッター。トレンド二位は恐れ入りました。移植を含めた新作ゲームが出なくても、出演者に石田さんがいらした+内容がセンセーショナルな「平家の神子」で、影響力いまだ衰えず、威信を示しました。

今回のイベントで、主にツイッターですが、シナリオや設定が表記揺れでは済まない洗礼を受けた方もちらほら拝見しました。私はこれに耐えてグッズとイベントのチケットをあほみたいに買った5年だったのだよ。えらくない? まじえらい。私はそうおもう。

だって缶バッジだけで二万使ったりとかさ。(ちなみにコルダの15th Finalはイベントのチケット合わせて特別給付金くらい使った)(関東住みだけどそれはネオロマンスのイベントのためで、九州あたりから神奈川への遠征費くらいを家賃として毎月払ってるんだぜ、たまに思い出してくれよな)

えらいと思うことは個人差があるとして、遙か存続のために、これも私にとっては、だけど少ないとは思わない金額を使い続けた5年だったのだ。

でも、好きなことしてるのにえらいって感じるのは同時に変だなあとも思う。えらいというのは、トイレの神様的なえらさね。

トイレの神様は、高名な神様が兼ねてるという説。なぜならトイレの神様は神様間でもいやがられ、「いいよ、じゃあ私がやるね」と高名な神様が兼ねたからまた名を上げる、みたいな話)

途中から、グッズが欲しくて買うのではなく、グッズを買わなければいけない…遙かが死んでしまう…という危機感から買ってた節が確かにあった。とりあえず全種買い。会場で紙袋二個持ってたりもした。意味がわかった人は私と握手してください。(ヒント:ネオロマンスのイベントの紙袋は、でかいものかやたらとグッズを買ったときにだけもらえます)

表記揺れでは済まないイベントドラマの設定、メッセージもねー、ひどいよね。笑っちゃう。笑うしかないくらいひどい。

でも存続させてしまった。ちょっと悪かったなとおもってた。

そしてキャストの一人が「二十年なったら遙かは終わり! キリいいし!」と言う冗談(きっと照れ隠し)を真剣に受け止めて遙かは終わると思ってたんですよ私。

それがいま、ツイッター上にあふれんばかりの遙かの話題、二次創作。

キャラソン聞いてる、とかライヴDVD見てるとか、イベントのドラマやメッセージやキャラソンランキングのここがよかった悪かった、絵を描いた演奏した話を書いたなどなど。

びっくりしたね。荒野を歩いていたら突然花園が眼前に広がった気分(比喩表現)。

遙か的に言うと、陽の気と陰の気が溢れかえっている。そう見える。

これは、前回のエントリーで抱いた疑問「遙か2をやった。深苑くんの理不尽を浴びると愚痴っぽくなる」だなと思った。

で、遙か2をずっとやってるので遙か2の青龍で考えた。

源頼忠は、対である平勝真と作中、ひたすらぶつかりあう。

頼忠は自己主張をしない人間、勝真は自己主張をする人間(嫌なものは嫌って言わない人と言う人)。

でも、勝真と話していると、頼忠はちゃんと自己主張する。「あいつ信用できない」とか「一族を侮辱するな」とか。勝真のように。

勝真は勝真で、自己主張しまくってもはや悪態までついていたのに、だんだん態度を改め、簡単に言うと激しい自己主張をやめる。頼忠のように。

お互いにいいほうに変わる(本人たちは変わろうとしているだけだとしても)。そしたら奥義が使えるようになる。(ゲームの仕様で、仲良くしてないと使えないけど)

つまり、相容れないと思っていた人間がそれぞれに折り合いをつけて、力をあわせると瀕死の京を救うほどの力を出せる。

自分が変わったことで、「これはとてもできない」が「やってみよう」と思えるようになり、本来持っているけど隠れていた自分が顔を出す。しかも、わかりあえないと思っていた人と手を組むことで、もっと大きな力でできて、大きな効果を生む。

だから、遙かのゲームをやったり、イベントでドラマなどを見ると、本来のなりたい自分が顔を出す、抑圧から解放される。解消と言ってもいいと思う。

カタルシスじゃなかった。

深苑くんの理不尽が必要または必要悪かはわからないけど、頼忠と勝真の不仲からの修復が大きなダイナミズムを生むんだなーと感心した。

(大学で習ったことぜんぶ出てきた。遙かすごいな!)

結論。

だから遙かって、いい方向に進めばめちゃくちゃすごい(トレンド二位とか、二次創作運動(二次創作がいいか悪いかは置いておいて、創作するということに重きを置いています))ことが起こり、そうでないと学級会ばっか起こる。苦笑

それぞれ陽の気、陰の気が満ちるのでしょう。

でもその学級会だって、わかりあえたり折り合いをつけられたら、世界だって救える力が生まれる。きっと。

まあ「終わらせておけばよかったものを!」と思う人もいると思う。どうだったんだろうね。でも、こんな気持ちにさせる作品を残せたことにも意味があるんじゃないかなと思う。

抑圧から解放されるのは気持ちいいじゃん。

よくもわるくも、それが遙かのもつ力なのだなと思った。

私は遙かに出逢えてよかった。どうすればいいかわからない時も多々あるけど、遙かを信じたいと思う。愛したいと思う。

この一文、めっちゃ遙かっぽいな。(武井っぽいとも思う。)

ここまで読んでくださりありがとうございました。

遙か2ひさびさにやって深苑君について考えた

遙か2を久々にプレイした。

初プレイから数えて十二周目くらい。なぜ覚えているかというと、初プレイがリアル女子高生だったので時間がありまして、大切な恋は一人ずつやってたんです。

五年くらいかけて八周やって、そのあと二回か三回はしたんじゃないかなーということでこの周回。単に効率という文字が頭にないだけ。

で、ひさびさにプレイしました。いつぞやのセールでVITAに落としていたやつを。遙か7やって、久方ぶりに感動する心を呼び覚まして、当時わからなかった八葉の気持ちが今なら理解できるのではと思って。

ここ2年くらい、感動する心を動かないようにしていまして。理由は疲れるから。笑うところ。

いわゆる文芸体質というのでしょうか。登場人物とオーバーラップしやすく、体力なくなってきたので、その消耗が激しいんですよ。何日も引きずっちゃうの。自分のことじゃないのに、めちゃくちゃ苦しくなっちゃう。

話を戻します。

いろいろ気になるところが出てきたのでブログ更新。

気になるところ

・無意識を喚起するもの

・深苑くん(と金色のコルダ3の冥加さん)について

一個目。

無意識を喚起するもの。

ブログ書いてる私が名作の条件だと思ってるもの。

どんな感じかというと、作品にふれる間に「あ、私、これがやりたかったんだ」と思うこと。

誰かにとって、遙か2が名作でもそうでなくても、どちらでも私は尊重する。

二十年近く前に出たゲームだから、これを越えられないままにシリーズが7まで出てるとは思いにくいから。ただ、現在の遙かシリーズの大元の設定の下敷きではあるとおもう。基本的に穢れがたまって百鬼夜行が起きるなど。

……で、なんで名作か否か考えたか、です。ここから本題。

遙かやってるとね、苦しくなる。作品全体に理不尽が多くて。

苦しい方があとでカタルシスが起こりやすいとか、感動が増すとか、いろいろ効能はある。

でも、遙かって、なぜか負の感情を引き起こしやすい。

ゲームやってて色んなことにイライラする。主に登場人物と話の流れかな?

で、それはいいんだけど、「この前仕事でいやなことがあったな(愚痴)」「前に誰かにこう言われて嫌な気分になったな」とかまで思い出しちゃう。これって何なんだろう。

抑圧が生む無意識の喚起なのかな。ここ知りたい。

で、それが起こる原因が深苑君だったんですよ。

このゲーム、「絶対に神子の言うことだけは聞かない深苑君」で成り立ってた。一回でも深苑君が神子の言うことを聞いていたら、あそこまでのことにならなかったんですよこのゲーム。すごすぎる。深苑君が神子の話を聞いたら終わり。

たったひとりとのディスコミュニケーションが起こした百鬼夜行。もう感心する。

誰よりも深い絶望を見ていた深苑君。人に頼るとか、話を聞いてもらうとか、どうしてもできなかった。なぜか。

彼が貴族に名を連ねるものだからなのではないか。

貴族の位を持たない白龍の神子(深苑君的には下賎のもの)とは話せなかったのではないだろうか。

明治時代の新聞記事に、こんなものがある。

学生(書生だったかもごめん記憶が急に飛んだ)と大工さんがぶつかった。ぶつかった学生は「失敬」と謝ったら、大工さんはかんかんに怒った。「謝りやがれ! まっぴらごめんなさいっていうもんだ! なんだシッケイって!」

っていう、よく新聞記事になったよねっていうもの。

使ってる言葉が違いすぎて、学生が謝ってても、大工さんはそれが謝ってることがわからなかったという話なんだけど、これは明治時代。かっちり士農工商がカテゴライズされていた時代で、こんな(しょうもない)事件があった。

そこから数えて約800~900年前の平安時代もまた、身分制度がもっともっと重くあったと考えると、

深苑君が平民の花梨に仕えたくない一心で、自分とどっこいくらいでも、貴族の千歳についたんじゃないのか……?

そんな風に思った十二回目だった。

それにしても、その深苑君を懐柔したアクラムがすごいよ。無位のものでも漂う気品で話を聞かせたのかもしれない。嘘をつかずに多くの人に甘言を繰り出し京を滅ぼす(白龍の神子だけは言うことを聞かなかったので成り立った思いやる恋なのかもしれない)。

話を深苑君に戻す。和仁さまなんて目じゃないね、深苑君の頑なさはすごいよ。

それは幼くして両親を牛車の事故で喪ったことに起因するんじゃあないかなとは思う。守るべき妹がいるのに、頼れる人がいない。祖母に引き取ってもらえたけど、この先どうなるかはわからない。

そのストレスがぜんぶ白龍の神子へ爆発したんだよね、深苑君の人生の不穏分子、最愛の妹は白龍の神子に懐いてるし無邪気に仕えてるからそれはさらに燃え上がる。

これは後年、金色のコルダ3の冥加玲士君に受け継がれてゆく。彼もまた、家をめちゃくちゃされたストレスがあの野良犬に骨を投げ与える事件に繋がっていくのではないかと思っている。彼にも妹がいる。さらに、両親は車の事故で亡くしてるところも一致。(冥加さんも当事者だけど)アクラムみたいなアレクセイにいいようにされるけど従うしかないとかも一致。

まあ冥加さんもまたアクラムの後継者でもあるんだと思うけどこの話はここまで。

ひさびさにやっていろいろ発見が多かったよ遙か2!

遭遇イベント多すぎてびっくりした!でも全部想い出から見られるベリーサンキュー仕様! やりこみ要素めちゃくちゃあるのにエンディングは想い出から見られない硬派!

また思いついたら書きに来る。ではまた。

ここまで読んでくださりありがとうございました。

遙かなる時空の中で7感想

こんにちは鳥です。

遙か7をクリアしました。

明け透けに感想書きます。ネタバレあります。

各所私なりに配慮しますが、至らない点があなたを傷つけるかもしれません。そんなときあなたを守れるのはあなただけです。嫌だなと思ったらそくブラウザバックをお願いします。

公平に書くつもりだけど滲み出るからたぶん。



大丈夫ですか?

もう一個入れておきます。


私も年をとったなあーと思いました。軟化したというか、気にしなくなったというか。

私のはじめての遙かは2だったんですけど、遙かシリーズは2が常にベースにあって。だから応龍は必ず喚ぶし、八葉との絆があるから帰ってこられる。それを《遙か》だと思ってたんですが、「あ、今回は丹田に宝玉があるのね」とか、前向きに受け入れられたりしました。これは恥ずかしながら、私の中では結構な進歩でした。

ていうか、遙かシリーズの設定じゃなくて2の設定じゃなかったとやっと気付いた。天中殺の2年無駄じゃなかったね。よかったね。



では本題に入ります。

攻略順は

長政様→阿国→兼続→宗矩→幸村→大和→武蔵→五月

天地の理をごりごり出してきたので、白虎→玄武→青龍→朱雀で書きます。


白虎

◇長政様

両親の出身地を統治されていたので馴染みがあるとそれだけ親しみがわき、結果長政様は最初から好印象にでした。ここでも様づけしてるね。

いい人でした。個人的にプレゼントをくれる人に弱いので、プレゼント嬉しかったです。笑

お父さんを尊敬しているところも、あんまり好きじゃない武将が「それでもそういう死にかたをされる方じゃない」というところがとても好き。

恋愛面で共感したのは「恋は個人的にするものでなく、家のために結婚する」というところですね。天の川のスチル。あとで触れますが、地の白虎とのあざやかな対比でした。

ゆえに彼の結婚は徳川の顔も立てる。すごいな。

あとはふわラテを飲んでー、敵と戦ってー、ふわラテを飲んでー、合戦して、ふわラテを飲んだ。コーヒーのカフェイン摂取にちょっと心配になった。砂糖も入ってるし、飲み慣れてない人が飲んだら三日三晩とか寝られなくなりそう。カフェイン含有量最強の玉露はあるけども常に飲む訳じゃないだろうし……。どうでもいい心配。

甘いもの苦手でもお礼を言う、たったひとりの弟の話をしてくれたり、とかく好き。

きゃー長政様ー! 博多治めてー! ってはしゃぎたい。


◇兼続

最初に猪扱いされ激おこ(笑)で、四章で認めてくれておこでした。遅いわ! 封印できたら認めて!(*ここも2由縁)

あと話の流れ的にわかるけど、お茶会で認めたのにとどめは種芋だったのがね! 四章では本当は認めてなかったんでしょ! とちょっとおこでした。笑

種芋で私を認めたというよりは、利用価値があったと思っちゃうしね。何でも無償でくれたらそらいいやつ(まあ上記の通り私もものくれる人好きだから同族嫌悪なのかもしれない)。でも、龍神の神子のまごころで絆された感がないから残念。

ルートに入ってめっちゃラブラブでびっくりした。先にかいた天の川スチルとかね、こっちが恥ずかしくなっちゃうくらいラブラブでしたね。

井戸の水はもうあれね、新宗教立ち上げて「天の川の霊水」って感じで売りさばくのかと思った。まあこの時点ではまさか自分の正体がご本尊だとは思わなかったわけですが。

話としては、ネオ直江状を出してもダメ、関ヶ原に直江が行ってもダメ、と運命は書き変わらないところは試みとして面白かった。でももっと早くスマホの画像出せばよかったよね。

あの直江が三成を励ますシーン、めっちゃいいシーン用につくられてるから私には響かなかった。というか、たけぽんが某シリーズで三成やってるからなんかちょっと面白くなっちゃった。(笑うところ)ひらりんの死にそうな演技は本当に今際のきわって感じですごかったけども。

全体的に「こういう展開にするから、こうしとこう感」がちょっと多かった。

そのぶん底無しにラブラブでしたね。それはそれでいいと思います。乙女ゲームだもの。

白虎の対比は「自分の気持ち(恋)に対して家を取るか個を取るか」。って感じですかね。



玄武

阿国

夜の姿見たらなぜかぴんときてしまった。織田の血を引く神子一行には確かにほしい、明智一族。今年の大河もあるしね。

大和、歩き方でわかるとか警察みたいだね!(防犯カメラに映った歩き方で整形などした犯人を特定するやつ)

ガラシャも助けたかった歴史の人物のひとりだと思うので、阿国ルートは歴史ロマンだね。ただガラシャキリシタンで、キリシタン的に自殺っていちばんだめなやつだけど、武家の娘としてのあざやかな幕引きという分裂、そして武家をとる誇り、というのが彼女の人生を知る人を魅了させるので賛否両論だろうなあとは思った。

阿国ルートのボスのあとに平島さんを放逐することは「殺さないから阿国」だし、「逃がしてもらった光慶」だから殺したらあかんのだと思う。

でも「武士でない自分が、やりたいこと、できることをする(したい)」というエンドなら、「死んだもの」のために巡業する阿国の方がより天の玄武らしかったんじゃないかなあと思う。喜んでくれる人のために舞う、それはかつて生きていた人たちにも、という方が天の玄武の底抜けに優しいところが出ると思うし他にも申し訳が立つって言うか、「やりたいことしかやりたくない」みたいに見えるし。

「夜に舞う姿が見られるの、神子と霊や怨霊だけなんてもったいない……」みたいであれば花丸だった。

ところで夜の姿のまいこーの演技があまりにもよくてさすがだったよブリッツモン!!!!(デジモンフロンティア


◇宗矩

髪をかきあげた微笑みのお顔の破壊力がすごかった。宗矩の顔めっちゃ好き。あとめっちゃ強いところ好き。点穴お世話になりました。

古式ゆかしい遙か無印、2のオマージュがふんだんに盛り込まれつつ新しい物語だった。鬼の地の玄武は3からか。あと宝刀を使うところは4の忍人。

地の玄武の伝家の宝刀「そばにいて(くれ)」、ありがとう。エンディングで寝てる神子に話しかけるのは遙か2のドラマCD「お前を迎える朝」の泰継オマージュなのだろうかと興奮した。

あと神子のために部屋を整えてくれたりしてね、めちゃくちゃ可愛い。ありがとう宗矩。独自章に入ってラブラブになっても違和感ないくらい好きになった。余談だけど、独自章入るまでに共通ルートでそのキャラ好きにさせるのって手腕だよね。そうでないとなかなか話に入っていけない。私にとっての直江のように。プレイヤーに好意持たせるのはたいへんだ。

柳生の庄の話。宗矩の立派なお父さん、立派だからこそターラを側室に出そうって決めたんだろうね。と姉と話した。

そして宗矩は、棟梁の息子で、かつ同じように先祖がえりの姿を持つ年も近いターラを捨て置けなかったんだろうなあとこれも姉と話した。

玄武の対比は「逃がされた者と逃がした者」。どっちもただ、自由に生きていたかったし、生きていて欲しかっただけ。せつない。



青龍

◇幸村

龍と人は願いでだけ交流できるという遙か3由縁があったからのエンディングだったと思う。正直、神子の正体が飲み込めなくて幸村エンディングがどうっていうのは少なかったかもしれない。

でもこれは遙か4の忍人ルートの怨嗟が産み出したもののように感じる。たとえ死んだって想い合えることが幸せだろ! って公式に言われた気分だった。

幸村ルートで好きなシーンは兄上との一騎討ちですね。どうしてもわかりあえないというか、道をたがえたふたりがぶつかりあって理解する、尊重するというシーンを令和のこの時代でもみられてよかった。もう絶滅したかと思って。

あと、兄上が「お前は平和な世に家族と暮らすのがふさわしい」というところ。幸村強いし義理堅いしいいやつだからこそ、そうなのかもしれない。遙か3の九郎さんみたいに、戦の世でしか生きられないタイプに一見見えるんだけど。

あえて運命を上書きしなかったのは、コーテクが幸村の魅力を伝えたかったのもあるし、上書きしない遙かを見せたかったのかもだし、いくつか考えられるけど、別に幸村は後悔してないからなあ。そこに尽きる気がする。誇りをもって生き抜いたから改変は必要ない。


◇五月

面白かった。ただ五月成分が少ない気はした。お兄ちゃん救出劇楽しかったけど、そっちに尺取られた感もある。ちび龍かわいかった。

彼らの対比は「人を超えたものの幸せ、人の世の幸せ」だったね。あと「兄弟間で意見が割れて、折れる(受け入れる)のが逆」かな?



朱雀

◇大和

きっつかった。大和、性根がびっくりするくらい優しいから特に成長しなくていいんだもん。気の強い神子が堪えられなくて久々に神子ウィンドウ消した。笑

でもそれだけ大和が「弱い」子だったんだろうなと思った。生まれつき繊細で傷つきやすい。基本的に信じてもらえないから傷つかない、傷つけられないように心を守ろうとする気持ちが強くて人に入っていかれない。神子がアプローチしないと動かない、動けない。弱いから人を傷つけちゃう、というのがない稀有なキャラクターだった。キャラソンがめちゃくちゃつらかった。

エンディング直前の台詞が素敵だったなあ。

あとはカピタンとターラに持っていかれて力抜けた。笑


◇武蔵

大きくなっちゃった……! めんこい武蔵が……! でも大きくなってよかったね。

文句なく面白かった。ターラのところで出てきた妄執って言葉がちょっとちがくない? って思ってたらホンモノの妄執出てきてよかった。どんなに素晴らしい人でも地縛霊になっちゃうところがよかった。そして剣を交えるうちに自分を取り戻すところも。

朱雀の対比は「父との関わり」が印象的だったかな。父に憧れる、父への不信がある。……うまく言えない。

残念ながらどちらも疎まれていたけど、そこでまったく拗ねたり自暴自棄にならない二人の強さよ。

7の父なるものの成分多めだったから朱雀だけ、って訳じゃないけど。



サブキャラたち

石田三成

顔みたらわかった。あと漢数字。振りがあってからずっと探していたからね! 出てくる新顔全員チェックしてたので消去法と言うことになるのかも。

イケメンだね。八葉だったら顔だけで推しになるところだった。平川さんの演技、とてもよかった。

余談だけど、二十年ぶりに水洗トイレとか使ったのかなとか邪推してしまった。きっとル○バとかみて「これはなんだ……?」って八葉たちみたいにスイッチ押しまくるんじゃ……? テレビとかも薄くなってるだろうし。あと写真撮影のとき、お父さんの服着てるのかな……萌え……。そういえばこれも青龍の比較かな。


・平島さん

この人好き! 高貴な血であることを誇りに思ってるところが好き。世が世なら口の利くことのできないお方。遙か3でいうと平家方だね。

正気が狂気めな感じ好き。あと責任を取るところが令和の世で(以下同文)。ロンドに続いて近藤さんに弱い。


・結城さん

最初の三鶴容疑者。すまん。おかげで喜三太だと思ってた。喜太郎さんだった。なめくじ好きなのかなとか思いこんだよごめん。

この人も好き。世が世なら……の方が、自分の意思で信仰の道に進んだところが素敵ね。すべてがままならない身の上で、信仰は自由だったのかなとか邪推してしまう。


・カピタン・モロ

この人も好きだな。時代が生んでしまった人。信仰が自分を救ってくれなかったから、自分で新たな信仰を作り出そうとしたんだね。やり方がめちゃくちゃアナーキーだったから敵にもふさわしい。あと敵には新世界の神になるを私が求める。ありがとういいものみた。彼は理想社会を作ろうとしたから無印アクラムとやってること一緒なオマージュもよかった。

余談だけど、幸村ルートでこの人の名前は出てこないんだよねーとか思ってたら幸村ルートの大事なところだった。

名前と引き換えにレヴィアタンを召還したのかな。同化して薄れる自分の意識が彼を救うのだろうか。

……と、思ったら救われてよかった。愛だッッ!!!(by「シャーマンキング flowers」)


◇ターラ

歴代鬼界最高スペックの女性。いつもひとりだったという胸の痛さ。ただ、途中から神子狙うのやめたのはちょっと面白かった。

あんまり狂気感じなかったのはひたすら身の上が気の毒だからか。いやーでも幸せになってよかった。狭い日本から脱出してお幸せに。


真田信之

兄上のお顔どストライクでした……さらに声も素敵で八葉だったらもう一にも二もなく推しだった。

兄上の前では「私が沼田の奥です」という顔してプレイしてた。ありがとうキャラデザ、キャスティング。


◇信仰の話

これはただの趣味。前々から興味があった。キリスト教が入ってしまった日本では、龍神信仰が薄まるのでは? と。

だから今作よく取り入れたなあと思った。


◇総括~神子~ネオ遙か

「よ! 龍の化身!」

と声をかけたくなる私(神子)でした。

織田信長の娘であることを飲み込むのに時間がかかり、きっと遙か4で挫折した方はこんな気分だったのではとか考えていたら最後にとどめを刺された感じです。ちょっと盛りすぎな気もする。

ていうか織田信長の娘なら、とんでもない怨霊になった親父を葬りたかったよね。笑

ただ、織田信長キリシタンでもあるし、悔いなかった訳だからそれはまあ無いよねって姉が言っててちょっと納得。中盤くらいまで親父の尻拭いだったのがそんなふうに思わせたのかもしれない。


で、神子の正体。いいか悪いかではなく、神子でない主人公は「遙か」シリーズなのか? と思いました。私の所感は「ネオ遙か」でした。ちょっとウルトラCすぎた。現代のJK神子ではなぜだめだったのだろう。


それにしても、神子は生まれたときから龍の姿だったのかな? がギリシャ神話みたいにお母さんが龍と交わって出来た子だったらちょっと興奮する。そうすると信長の子じゃなくなるけどね!


……やっぱり設定引きずってるじゃん! 修行が足りないな!

でも龍だったから明日から誇り高く生きよう。


デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION絆感想

ラスエボ観ました。感想です。読んで愉快になる内容ではないと思います。整理されていないのでめちゃくちゃです。

ネタバレを含みます。

お気をつけください。

予備知識として、私のデジモンの今までの履修です。無印からフロンティアまでアニメ観ました。セイバーズ途中脱落。クロスウォーズは見てないですすみません。アプモンはかじったくらい。テイマーズ以下の映画はdアニメさんで履修中。tri.は映画館で完走してDVDも全部買いました。舞台も二回劇場で見てDVD持ってます。

無印はアニメ、小説版、アニメの設定資料集などがソースです。角銅さんのツイートも含みます。

ラスエボの小説は買ってないです。そこで公開されている情報を知らなかったらすみません。


どのシリーズでも登場人物ではヤマトが好きです。一番好きなところは内緒ですが、基本的にストレートなところと顔が好きです。髪は長い方が好きです。(内容としては辛いんですが、)ディアボロモンの逆襲のキャラデザが一番好き。

というわけで、一般的にラスエボのほうが作画がよいと思われますが、わたしにとって作画がよいと思うのは推しの顔がかっこいい方なので、tri.の方が好きでした。髪の毛は! 長い方が!(略)


前置きはこのくらいにして、単刀直入にいって、tri.よりこの映画のほうが好きではなかったです。

設定のおかしさ(ブレ)ではtri.のこと笑えないと思っています。

まずは感想。

映画中一番気になったのは、大輔は「ヤマトさん」と呼び「太一先輩」と呼ぶことです。(電話してるヤマトの顔と細谷さんの演技はかっこよかった。)


次に、辛い。

観た直後は「えっ……tri.と変わらなくない……?」でしたが、じわじわと喪失感をおぼえ、夜寝られなくなりました。

だってパートナーデジモンってもう一人の自分じゃないですか。自分が半分死んだんですよ。そんなの生きてないのと同じですわ。なんでこんな話にした。


メノアはよく練られていて面白いキャラでしたが、そもそも何で選ばれし子どもになったのかが謎でした。

選ばれし子どもたちは、デジタルワールドの危機に選ばれると言います。

三万歩くらいゆずって芽心はメイクーモンがデジタルワールドの安定を脅かすから選ばれたとして、モルフォモンそういうの無さそうですやん。ていうか進化したり戦ったりなさそうなんですが。その辺どうなってるんだろう。アリなの。(ウォレスもそうじゃんって? じゃあ芽心もそうじゃん。)

リブートされたのにモルフォモンが復活しなかったのは、人間世界で消えたからなんですかね。

パートナーデジモンとの別離は、子どもの頃はある無限の可能性が、「夢は定まる」ということで選んだ先に?選択肢が無くなれば?進化できなくなり、大人になるそうですが。

つまり将来の夢が定まっている、丈や空や光子郎の方が秒でパートナー消えるような気がします。定まらない奴から消えるなら今回であってると思います。

というか、デジステでミミが「やりたいことがいっぱいあって、子どもみたい」と言うじゃないですか。それって無限の可能性ってならないの。

私の中途半端にやめてる習い事は早い話が金があればできるから、社会人になってからのが(こうなりたいという意味での)夢に繋がるんですが。そういうのだめですか。

やりたいことが作中出てこない太一とヤマトからパートナーデジモンと別れるの謎ですね。オメガモンになりすぎて、または人間の世界の情報が重すぎて、デジタルワールドのキャパが足りない、とか、新たな言語になるから消える、とかあれば納得するんですが。

別れを描くための設定でないと話を作れないのって何だろうと思います。

あとあの別離はデータの消失なんですかね。あらたな脅威?


あと強いんだからインペリアルドラモン出てきてほしかった。オメガモンはディアボロモンの頃からもうずーーーーっと負け続けているから世代交代してほしい……。単にオメガモンが負けるところ見たくないというのもあります。

あと個人的に、話の作りとして気になったことです。

メノアは、「自分とおなじような別れをしないように」というのが動機で女神になり、これから辛い別れを経験するであろう選ばれし子どもたち(だった大人を)救済したく、「別れなきゃいい」になった訳ですが、「モルフォモンにもう一度会いたい」ではないんですよね。

「私は理不尽に別れたのに、他の人はそうじゃないなんて腹立たしい」ならわかるけどね。姫ちゃんとかぶるからだめなのか。

だから太一とヤマトは、メノアができなかった選択「もう一度出会うために」外交官になるとか宇宙飛行士になるとかにつなげたとかかな……。

ではここで一曲聴いてください、tri.のガブモンのキャラクターソング「君にとって」。

「約束をしよう何度だって君と出逢う」……メノアがモルフォモンを信じられなかったってことなんですかね。なんかそういう、ウォレスを求めたチョコモンみたいなやるせないやつ見たかったです。

メノアは、逮捕後にカウンセリングを受けることになるのかな。メノアも役割のための登場人物でしかないなんて悲しすぎる。


結論。

02の設定どっかやっちゃったのでtri.と同等それ以下。

夢を見ている間は大人も子どもでいられるって話ではだめなのでしょうか。

まだ五章で「あああ」って叫んでたヤマトのほうが胸を打ちます。

この映画をつくる上で、映画館で映画観て、グッズ買ったりしていた私をこんな気持ちにさせたくて作ったなら大成功です。

私はデジモンファンのつもりだった んですけどね! ヤマトのファンであってデジモンシリーズのファンでは無かったのかもしれない。それは認める。

あとはわたしは子ども向けのものが好きなので、かつて子どもだった人が大人になって……みたいな層では無いのかもしれない。つまりメインターゲットじゃない。

かつてのデジモンは大人がみても面白いだったけど、ラスエボは子どもお断りなのかもしれない。

なんにせよ辛いです。

こんなものを見とうはなかった。

好みのものでなかったと怒ってるだけではないつもりなんですが、どうなんだろう。ただそれだけなのかもしれない。

柚木梓馬について

柚木梓馬(以下、柚木先輩)。コルダを知らなくても柚木先輩のことは「髪が長くて、CVだいさくで、腹黒い」くらいは知ってる人が多いのではないだろうか。(当社比)

私が持つ柚木先輩へのイメージは「家庭の事情で音楽を続けられない人」である。


柚木先輩の環境をすこし見てみよう。

華道の家元の家系に生まれ、たぶん金銭的な苦労はなかった(2ffまで)。ただ、お金(と格式)があるからこそ、色んな習い事を自由意思に沿わなくても、たくさんしていたと思う。華道、茶道、書道、テーブルマナーなどの礼儀作法も含めて。

さらに、音楽。しかしお兄ちゃんより上手くなってはいけないということでピアノを取り上げられ、代わりに始めたフルートも高校卒業と共に辞める予定。

びっくりだね。でもそれは「家庭の事情」だから、いかに「柚木先輩の音楽の技術やセンス、表現は卓越している」という評価があろうとも関係がない。

逆に、「彼って音楽の技術やセンスは突出してないけど素敵な人柄なの」が音楽の評価を覆さないように。


ちょっと話を変える。

「家庭の事情で音楽を続けられない」、の「音楽」には「習い事、趣味」を入れてもいい。多くの場合、それは金銭的な問題が多いと思う。そうでなかったら、「自分の意思ではない、家族の都合」。親の転勤でいまの先生についていられない、他に親が望む習い事などがある、など。

ひっくるめて丸く言うと、「家庭の事情」だと表現される。

かく言う私もその一人だ。高校生の身空では、基本的には親にお願いしないと続けられない美術(芸術)系で、小学生から高校生まで続けた習い事で、高校の部活で全国大会的なところに選出されたこともある。

でもいまは続けられていない。

職業にしても趣味にしても、続けるには、画材費(基本的に一回こっきり使い切りで、ひとつの作品を仕上げるのに8万円ちかく使ったこともある)、塾(先生につくことも含む)の費用、作品を制作する場所が必要になる。これさえあれば、才能やセンスがあることよりよっぽど続けられる。と思う。

つまり、芸術を続けるには、環境を整えるのが肝要だと思う。


話を柚木先輩に戻す。

柚木先輩をとりまく環境の中で、一番の障害になったのは、「おばあさまの意向」、あるいは「自分が持つとは思わなかった執着」だと考えられる。

で、そこで彼が乗り越える問題としては、「折り合いをつける」だと思う。


なぜ、柚木先輩はおばあさまの言うことを聞いてしまうのか?

私の答えとしては「家族が大切だから」。私も家族が大切だから、なんやかや習い事をやめてしまった。という気持ちに起因している。柚木先輩がどう考えているかではありません悪しからず。

家族を大切にしながら、音楽を続けることもまあできる。ただしプロではなくて、大切な趣味として。(この辺は一条ゆかり「プライド」がしみるとおもう。)

または加地くんのいうように、家を出て音楽を続ける。でもこれは結構困難だと思う。前述の通り、音楽には環境を整えるのが肝要だから。

さらに、そのためには(強く言うと)家族を捨てる必要がある。

音楽を続けること、ということに重きを置くと、ひとに夢を託すという方法もある(2fアンコールはここかな)。

これを乗り越えられたら、彼は真の意味で音楽の祝福を受けるとおもうんだ。遠藤周作読者としては。

彼が音楽に遠くなれば遠くなるほど、音楽の祝福は近づいてくる。かなやんや加地くんのように自分の望む形でなくても、形が変わっても、きっと。


急逝したコビー・ブライアントさんのことばに、こんなものがある。

「夢は目的地じゃない。旅路なんだ」

柚木先輩の夢はきっと叶う。